2025年5月18日日曜日

雑感-葛藤

2024-2025シーズンは例年よりも岩に行けた回数が多かった

多くの新しいエリアを訪問したことも相まって

登れた課題数から見ると非常に満足できた

新しいエリアに行ったとしても初段,優しめの2段なら1日で登れるようになったことが大きい

勿論,岩の状態が万全であろう日を狙って訪問しているのもあるが・・・


ふとこのシーズンに自分が登れた課題を思い返してみる

印象深い課題は有っただろうか

登れた瞬間はどの課題も嬉しかった

数日,一週間後でも喜びの感情はある

だが,ひと月ほど経過すると全くと言って良いほど感情が昂ぶらない

下手したら何をいつ登ったのか忘れている


登りに行く時は

「確実に登れるであろうもの」

「登りたいもの」

「登れたら嬉しいもの」

に分けて課題を選定し,

何かしらの成果を持ち帰れるようにしている

登れた「本数」も大事なファクターのひとつだ

「時間を割いてお金をかけたが,岩に触れれば満足」

と思えるほどクライミングに傾倒できていない

費用対効果を求めている

それが思い入れのある課題が殆どないという現状に繋がっているのかもしれない

入念な下調べとある程度織り込み済みの成果

これらを持って,満を持して出発する

その甲斐あって(と言って良いのか分からないが)

成果はでる

この思考は現地で岩に触ってからも発揮される

色々触って,厳しそうな場合は深追いせずに止めて登れそうな次のターゲットに移る

成果が欲しいから・・・

そして,優しいものから触っていく

成果が欲しいから・・・

その結果,ギリギリであろう課題にとりつく頃にはヘロヘロになっているなんてことも多々ある


「やりたい課題を優先して触れば良い」

という考えは常に頭の片隅にある

しかし,それで成果が出ないと

「折角行ったのに何も登れなかった」

という負の感情に支配されてしまう

面倒臭い奴なのだ

そのカルマは高難易度を触りたいと思った時に身体がついていかないという未来に繋がるかもしれない

否応なく歳をとり,フィジカルは落ちている

実感がある

近いうちに訪れる後悔は想像に難くない

しかしながら,

今のところ

“X段が登りたい”

とか

“どうしてもあの課題が登りたい”

という考えよりかは

“色んな課題を沢山登りたい”

“あわよくば高難易度も登れればハッピー”

という想いが強い

得られる成果と相反して,

ギリギリの絞り出したクライミングで登れたという体験は得難くなる

年齢の事を考えると転換点は近い

今のスタイルとこの葛藤の終点は目の前にあるのかもしれない


2025年5月3日土曜日

不甲斐ない旅 in 稚児舞台&山寺

最近になり,体のバランスがおかしくなったのかイメージ通りに登れない

ジムでも今一な感じだ

秋から登り続けた疲れが体に蓄積してきているのかもしれない

体幹での姿勢制御と足からの連動が悪い気がする

年末の捻挫からストレッチをお休みしているのも問題かも

もう少しでシーズンアウトするから粘ってみるか・・・



GWはnonさんの仕事の関係で後半だけ登りに行けそう

東北(稚児舞台,霊山,大倉,山寺)

または

岐阜(恵那,瓢,白川)

を計画

後半に入ると雨が多い予報で,

最悪なことに出発前日は大雨

恵那や瓢は行ったことないので乾き具合がわからない

河原は増水するかもしれないし・・・

大倉は諦めて霊山は最終日に淡い期待を持ちつつの東北へ


どうせ乾いていないだろうからと遅めに出発

稚児舞台の『闇上がり 初段』を探す

首尾よく見つけられた上に乾いていた

しかも日陰

これは大きい

色々とムーブをこねくり回し初手マッチで完登

下地が良かったので石ころ登り

当初は左手カチホールドのランジでリップ止めを試みたが

足が切れると振られが止められない

マッチムーブで完登したあとも結構粘ったのだが指皮だけが消耗していく

ということで諦めて「餓鬼道」があるエリアを探す

崖の降り口が分からず大分時間がかかったが発見

『キール 2段』と『極一 2段』に取り付く

直射日光がガンガン当たりとても暑い

熱中症にならないように日陰に逃げつつムーブを作る

結果,どちらも何もさせて貰えずに敗退

清々しいほどにムーブを起こせなかった

気温が大分高いうえに岩に日が当たっていたとはいえ,ここまで何もできないとは・・・

と心をへし折られる


遅い昼飯で昔からの友達が2年ほど前に二本松で開いたラーメン屋『せいじゅ』へ

何回か来ようと思っていたがタイミングが合わずでやっと訪問できた

白河ラーメンらしい

友達補正とかなしで美味しかった

少し不揃いな手打ち麺が良い

話を聞くと製麺機なら1時間の量を5時間かけて麺打ちしているそうだ

大変だと言っていたがとてもおいしい麺だと思う

しかも化学調味料も使っていないそう

「あの旨みを出すのは大変でしょ」と聞いたらかなりの量の鶏ガラを使っているらしい

まだラーメン自体も探り探りらしいが繁盛して欲しい

作るのが難しい内腿のチャーシューが美味しかった

お腹も膨れたので下道で山寺へ

このトリップの裏目的も果たせた


道の駅で車中泊

夜中小雨が降っていたが岩は問題無かった

先ずは前回敗退した『蜻蛉切 2段』へ

岩に着くと以前「青葉」と「玉川」であった岩手のクライマーに遭遇

セッションする

色々思い出しつつ何回も飛ぶ

結果ランジが止まらずで指皮を消費しただけ

車で移動して『ピッキング中央 1級』と『仙道 2段』へ

「ピッキング中央」はFlashできず・・・

足がお留守で振られてしまった

「仙道」は見た目簡単そうだがポジションに入るのに苦労した

ムーブができたので繋げトライ

ヨレてどうしても取れない一手がある

ムーブ強度はそこまでではないなのだが・・・

序盤の嫌な足切れムーブを変更したい

イライラしながら岩を眺めていると良さそうなフットホールドを発見

強度の低いムーブが出来た

試しにつなげるとそのまま完登

気付くのが遅すぎる

「起こせるムーブ」と「登れるムーブ」は違う

最近さんざん意識していたハズなのに

肩に力が入りすぎて動きが硬い

ルーフ内からスタートする4段のオリジナルパートが全然バラせない

意気消沈して同じ岩にある無名の3段を触るが,こちらもムーブがバラせず

指の圧痛が酷く霊山も諦めることにした

宇都宮インターまで下道


今回の東北トリップは良いとこなし

こんな不甲斐ない結果になるとは・・・

これが今の実力なのだが,

登れると思って取り付いてムーブの最適化に拘りきれず無駄なトライで消耗なんて悪手も甚だしい

また,シーズン中好調を維持し続けることは難しいと理解できた

能動的にコンディションの波を作っていこうと思う

右足のねん挫と骨挫傷(多分)が完治しない

のどに刺さった魚の骨みたいで気持ち悪い