2023年4月2日日曜日

花粉の時期に奥多摩へ in 大丹波 & 名栗

25年以上にわたり春は花粉に敗退し続けているが,
シーズが過ぎるとその辛さをすっかり忘れてしまう
痛みや辛さをいづれ忘れるという性質はDNAに書き込まれているのだろう
そして憎き春がやってきた
今年こそ治ったと思い込んでいた花粉症はやはり発症
脱感作するために奥多摩へ


大丹波にやってみたい課題があったので突撃
携帯の電波も届かない静かな清流沿いで一人岩と戯れた

ひときわ大きな岩の下部にこじんまりと核心のある2課題
『無名 初段』と『無名 初二段』
初段の方はFL
初二段は苔をはがしながら死の音が聞こえるトップアウト
まぁグレードは・・・

下部の核心


『声』は岩の形状もラインも秀逸な課題
グレードはついていないが僕のムーブで2~1級くらいか
試したムーブで後ろにぶっ飛び御ケツを強打
ソフトボール大の痣になっており,
Heeちゃんに「痛いの痛いの飛んでけ〜」としてもらったが数日間は痛かった
最初に不採用を決めたムーブを再度行うと上手くハマって完登
『五音連声 初段』は声の途中からリップをトラバースして木を避ける課題
1級~初段といった感じか
いづれにせよ,「声」はいい課題

岩の形状がいい


『月夜 3段』は苦労した
ムーブを作りバラシまではサクサクと出来たが,
繋げると最後のヒールのムーブが起こせない
いかんせんヨレる
ムーブを微調整したり
シーケンスを失念して落ちたり
余裕があるトライで突如違うムーブを試したい欲が湧き上がり落ちたり
再度ムーブを微調整したりと・・・
登れた日の1トライ目は最後のヒールのかけ先が見えずモタモタしてヨレ落ち
このトライはムーブの確認も含めていたので,
細かいことは思い出し切れていなかった
この何の気無しのトライで,
途中のヒールが当初の位置とは違っていたことに気が付いた
ここに掛けろと言わんばかりの場所にかけていたのだが,
隣の岩に触れやすいのでつま先を無理やり立ててムーブを起こしていた
しかし,それによってかなりパワーを使ってしまっていたよう
最初にヒールを上手く掛けられずに排除したところを使うとムーブの強度が大分マイルドに
これで最後のワンムーブでも余力があり完登に繋がった
ムーブに固執しすぎたせいか,引き出しの少なさか
赤城の「土木」は気が付かず教えてもらったホールディングで登れたが,
自分で気が付けた今回は成長なのか,運が良かったのか
セッションしないと思考が内向きになってしまいムーブ変更に踏み切れない
一方で,悶々としたこの時間は贅沢なのかもしれない
こじんまりとした石ころに色々と考えさせられた
ただ,完登の嬉しさは一瞬で,
直ぐにやっと終わったという安堵感が押し寄せた
繋げるという「作業」になっていたのか
これはバラせる課題でよく感じるが,
成果を得たいという感情にまだまだ支配されているからかもしれない

石ころと戯れる


名栗のこれまた電波が届かない川沿いの岩にある
『カンテ 初/二段』も登った
核心は下部だが,
そこにマットを敷くとヒールを使う上部をカバーできない
ムーブが出来るとすぐに登れたが「声」同様に満足のいく登りができた
秋田犬を散歩していたお爺さんに「うまく登れた?」と聞かれたが
素直に「はい」と答えられた
充実感は同じ日に登った「月夜」以上で
グレードやかかった時間だけではない「クライミングのもつ楽しさ」を感じたのかもしれない

閑静な佇まい