2024年11月24日日曜日

時は満ちたというより in 八千穂

秋の2日間,八千穂で登ってきた

先ずは,「キャンプ場まで3kmエリア」

アプローチの余りの急坂ぶりに焦る

岩前に着くと思った以上に下地の平らな部分が狭い

その先はこれまた結構な急坂でその先は崖

落下時に尻もちを付くと後ろに転がってそのまま崖下だろう

そのなこんなで,『初段 左』に取りつくのを暫し躊躇する

意を決して岩に触る

トラバース部分のムーブができ,核心であろうハイステップをこなし

そこから安全マージンを取って2度ほど降りたが何とか完登

最後のガストン2連発はミスらないで良かった.

帰りはこれまた滑りながら急登を登って車へ

『初段 右』もやりたかったが,上部がびしょびしょだった

この日は11月とは思えない暑さで,ブヨに二か所,蚊に一か所刺される

マットの上を闊歩するマダニは退治しておいた

車に戻るとありえない数のテントウムシが群がっており少し引く

オオトビサシガメも5匹ほどいた

テントウムシを払いながら車の入り,クーラーをつけて暫し涼む


登ろうと思っていた課題はもう『覚醒 2段』しかない

もうこの課題を避けられない状況になる

「ミラークラックエリア」に偵察に行くと思った以上に岩が高い

マット2枚を担ぎ上げ,岩に取りつく

ランジに数回躊躇しつつ突破

中間部のムーブ構築のトライを重ねて最後の一手へ

ここにきて核心のポケットが濡れていた

トライの度にチョークをまぶしてクライムダウン

ブラッシングできないがトライで手が濡れないレベルに乾いた

が,どうしてもムーブを起こすほど信用できない

指先に伝わる岩の冷たさと湿気り感

ポケット周りの苔も青々しているので当然か

結局一度もムーブが起こせずに気持ちが折れて敗退

最初のランジ

2週間後,再度「覚醒」へ

今度は軽く雪が積もっている

上部の雪を下ろしてトライ

先日と比べてポケットのフリクションが段違いによい

ホールディングを少し変えたことも相まって問題なく核心の一手が起こせた

結局上部で落ちることはなったが,

マットが2枚だし一人なのでリスク管理は大事だろう

過信せず岩との駆け引きができた

登れてしまうと初段位に感じるが,

ここまでの道のりは長かった

核心前のチョークアップ
なんせ,

この課題を登りたくて八千穂に来始めたにもかかわらず

来るたびに他の課題でお茶を濁した

常に頭の片隅に引っ掛かっていた

探しに行く時間的余裕もあったのに避けていた

やるものが無くなって初めて岩と向き合う決意ができた

むしろ尻を叩かれて・・・

覚悟が決めきれなかった気持ちの弱さが出てしまった




2024年11月3日日曜日

絶景の中で登る in 玉川

連休はかねてより調べていた山形の玉川ボルダーへ

結構な強さの雨が続いていたこともあり,

前日の夕方になって行くことを決意

岩も濡れているだろうから初日は偵察メインの予定

高校生の時に登った飯豊山の山形県側の登山口近くに玉川ボルダーはある

駐車場に着く前の山道から絶景

飯豊のたおやかな姿と岩がむき出しの渓谷に紅葉が映える

道中はもっと綺麗な景色が楽しめる


エリアに到着すると岩は乾いている

問題なく登れそう


これでもかという絶景

絶対に登りたいと思っていた『衝動 2段+』へ

脇の岩で2課題ほど登ってアップ

取りつこうとすると同じ課題目当て人が

見たことある顔だと思ったら初めて青葉に行ったときに「壺魔人」でセッションした岩手の方々だった

早速ムーブを作り,上部の核心へ

下部はセッションのおかげで無駄なトライをせずに済んだ

核心の一手を繰り返すがやたら遠い

何度やっても左手出しでは止まらない

単純な距離というより岩から体が離れてしまうのが原因のよう

最終的には別の方のやっていた右手出しムーブを真似したら2トライで止まった

素晴らしい景色の中で登る

続けてLowスタートをやる

下部は1トライ目から出来たが結局核心の一手が止まらない

結構頑張ったが完登出来なかった

すぐ裏の『エリオン 初段』と少し下流の『玉川ジャンプ 初段』を登って終了

宿に向かう

途中夕飯を食べるところを探して良さそうな店に入ったら

岩手の方々と山形の方々がいた

岩手の方々とご一緒させてもらう

当たりの店だそうだ

前日に取った宿,

「風呂とトイレつきで良いよね」

と言われたのでそこにしたら,ない部屋より1000円高かった

正直なくても良かった


2日目

今日はもう一つのターゲット『蒼空 2段』

2往復してマット3枚を運ぶ

この岩の下地はごつごつした岩盤が川に向かって1m以上えぐれている部分があり非常に悪い

上部で落ちると抉れた場所に落ちるらしい

暫く岩を眺めてムーブや落ちた時のイメージをする

集中力を高めて取りつくと一撃出来てしまった

ムーブ強度は高くないがこの完登は非常に達成感があった

岩との対話

気持ちのコントロール

ムーブの引き出し

上部に行くにつれて高まる鼓動のなか心は冷静だった

一人で対峙した贅沢な時間

憑き物が落ちた様に気持ちが楽になる

ただLowスタートをやるほどの気持ちは作れなった

続いて「衝動Low」をやるが結局最後の一手が止まらない

下部が前日よりもぎくしゃくしている

下部で落ちだしたので他の課題をやるとこに

『Hunters 初段』と『おしょうしな 初段』を登って帰宅の途に

下地が掘ってあり埋まっていた課題に取りつけた


素晴らしい景色のなか,喧騒からも離れられた2日間

ただ既存課題を登っただけの僕がここまで感動したエリア

このロケーションのなかで

素晴らしい岩がいくつもあるここを開拓した方はとても幸せだっただろう

ぜひ,春にも訪れたい

どこを見ても絶景しかない


帰りがけに「霊山」のトポを入手したかったので早めに切り上げた

道の駅に置いてなくて焦ったが,紅彩館に行ったら手に入った

このトリップの裏目的も果たせた